The Battle for Wesnoth ユーザーマニュアル


目次

はじめに
1. Wesnoth 入門
1.1. 世界観
1.1.1. 生物
1.2. Wesnoth の開始
1.3. ゲームモード
1.3.1. キャンペーン
1.3.2. シナリオ
1.3.3. ゲーム画面
1.3.4. 雇用と召還
1.3.5. あなたの軍隊
1.3.6. 生と死 - 経験値
1.3.7. 勝利と敗北
1.3.8. ゴールド
1.3.9. 保存と再開
2. プレイ方法
2.1. 操作
2.2. ゴールド
2.2.1. 雇用と召還
2.2.2. 維持費
2.2.3. 収入
2.3. ユニット
2.3.1. アラインメント
2.3.2. 特性
2.3.3. 特殊武器
2.3.4. 能力
2.3.5. 経験値
2.3.6. ユニットの召還
2.4. 移動
2.4.1. 支配領域(ZoC:Zone of Control)
2.4.2. 宝珠
2.4.3. 楕円、チームの色、英雄アイコン
2.5. 戦闘
2.5.1. ダメージ型
2.5.2. 耐性
2.6. 回復
2.6.1. 再生
2.6.2. 毒
3. 戦略とヒント
3.1. 基本戦略
3.1.1. ユニットを無駄死にさせるな
3.1.2. 敵の移動可能範囲を避けろ
3.1.3. 支配領域(ZoC:Zone of Control)を駆使して防衛せよ
3.1.4. 防衛線を維持せよ
3.1.5. 負傷兵を交代させ、戦線を維持せよ
3.1.6. 地形を活かすべし
3.1.7. 攻撃対象を選ぶべし
3.1.8. 時刻
3.1.9. 経験値
3.2. ゲームを思う存分楽しもう
3.2.1. シナリオ開始時
3.2.2. シナリオの途中
3.2.3. 回復
3.2.4. シナリオで勝利するには
3.2.5. より一般的なヒント

表の一覧

2.1. 時刻とダメージ
2.2. 敵のレベル別取得経験値
2.3. 宝珠

はじめに

The Battle for Wesnoth は、ファンタジーをテーマにしたターン制の戦略ゲームです。

未熟な新兵を優れた兵士に鍛え上げ、強力な軍隊を築きます。ゲームの後半では、強靭な戦士たちが集う無敵の大軍勢ができていることでしょう! 多様な種類のユニットの中から最適な者を選ぶことで、様々な敵や地形に適応して戦うのです。

このゲームでは数多くの物語があなたを待っています。Wesnoth 王国の歴史に沿ってオークやアンデッド、犯罪者などと戦うのです。時には、険しい山に棲むドラゴンや 大森林 Aethenwood のエルフ、 巨大洞窟 Knalga のドワーフ、真珠の入り江のマーフォークとともに戦うこともあるでしょう。 Wesnoth の王位争奪戦に身を投じることもあれば、アンデッドの恐るべき力によって生ける者どもを支配することもできます。土地の剥奪者たる人間族に勝利すべく、偉大なるオークの部族を率いることも...

歩兵・騎兵・弓兵・魔術師など、 200 種類以上のユニットから小部隊を編成し、奇襲によって敵の大軍を撃破することもできるでしょう。友達か見知らぬ人と戦うこともできますし、多くの登場人物がいるファンタジー世界を楽しむこともできます。

Battle for Wesnoth はオープンソースソフトウェアであり、多くのボランティアがゲームを改良するために協力しています。 自分で考えたユニットやシナリオだけでなく、大規模なキャンペーンでさえも製作することができます。 このようなユーザーによって作られたコンテンツ(UMC:ユーザーメイドコンテンツ)はアドオンサーバーから入手できます。 そして、非常に人気のあるものは Battle for Wesnoth の公式リリースに組み込まれることもあります。

第1章 Wesnoth 入門

1.1. 世界観

Wesnoth のある大陸は3つの地域が存在しています。 法の及ばない北の大地、 Wesnoth 王国とその隣国 Elensefar、そしてエルフの住む南西の Aethenwood の大森林(とそのさらに南の地域)に分かれています。

Wesnoth 王国はこの大陸の中央部に位置しています。その国境は、北は大いなる川、東と南は Dulatus 丘陵、南西は Aethenwood の大森林、そして西は大洋によって区切られています。 Elensefar は、ある時は Wesnoth 王国の一地方であり、またある時は独立国、そしてまたある時は緩やかな盟約を Wesnoth と結ぶ同盟国である地域です。 北は大いなる川、東はあいまいに定められた Wesnoth との国境、南は真珠の入江、西は大洋がそれぞれ Elensefar の領域を区切っています。

北の大地は大いなる川の北側に広がる未開の地域です。 オークやドワーフ、野蛮人、そしてエルフが住んでいます。 その北から西には Lintanir の大森林が広がっており、北部エルフ族による謎の大王国が存在しています。

これらの土地には村が点在しており、そこで傷ついた部隊を回復させ、軍隊を維持するのに必要な収入を集めます。 山や川を横断したり、森や丘、凍土、草原を進むこともあるでしょう。 これらさまざまな環境には異なる種類の生物が生息しており、彼らは慣れ親しんだ地形での移動や戦闘に適応しています。

1.1.1. 生物

Wesnothの世界には人間、エルフ、ドワーフ、オーク、ドレーク、トカゲ、マーフォーク、ナーガや多くの未知の種族が住んでいます。そして、呪われた地にはアンデッドや幽霊がうごめいています。また、遺跡やダンジョンには怪物が潜んでいます。そして、それぞれの種族は特定の地形に適応しています。人間は温暖な草原を好みますし、丘や山、地下はオークとドワーフの故郷となっています。森はエルフの領地ですし、大海や川はマーフォークとナーガの領域です。

ゲーム上、異なる種族の間に党派が形成されることがあります。例としては、オークはトロルと、エルフとドワーフは人間としばしば協力します。また、人間社会内部にも忠誠者と無法者のような党派争いが存在します。ほとんどのキャンペーンでは一つの党派に所属するユニットを操作します。しかし、ときどき党派同士が同盟を結成したりするので、一本のシナリオの中でも複数の党派に出会うことになるでしょう。

1.2. Wesnoth の開始

Wesnoth を起動するとメインメニューと呼ばれるボタン群が表示されます。メインメニューのボタンはマウスでクリックすることができます。まずは「チュートリアル」を選択することをお勧めします。その次は「キャンペーン」から「二人の兄弟」をプレイするとよいでしょう。

メインメニュー

チュートリアル
チュートリアルは実際のゲーム形式で基本的な操作方法を理解できます。チュートリアル内では、あなたは Konrad 王子か Li’sar 王女になって老魔術師 Delfador からいろいろなことを学びます。Delfador の話には良く耳を傾けなければなりません。不真面目な生徒は魔法でイモリに変えられてしまうでしょう...
キャンペーン
キャンペーンとはいくつかのシナリオのセットのことです。初期の Wesnoth はキャンペーンをプレイするために作られたゲームでした。次の画面でプレイ可能なキャンペーンの一覧が表示されるので、その中から1つ選択してください。それぞれのキャンペーンには 3 段階の難易度「簡単」「普通」「難しい」があります。開発者としてはやりがいがあると思われる「普通」(「難しい」ではありません)をお勧めします。キャンペーン開始後はプレイ中のキャンペーンの難易度を変更することはできません。もし、あなたが「簡単」でも難しく感じるなら、基本戦略の項目を読むと良いでしょう。 また、他のユーザーが作成したキャンペーンを追加することもできます。下の「アドオン」を参照してください。
マルチプレイヤー
1人以上の相手と対戦することができます。対戦相手は AI か人間になります。人間を相手にするのなら、1台のコンピューターで交代でプレイすることもできますし、インターネット上の相手と通信対戦することもできます。マルチプレイヤーゲームを開始するにはシナリオを選択する必要がありますが、詳細はシナリオを見てください。
再開
セーブデータからゲームを再開できます。セーブデータの一覧が表示されるので、再開したいゲームを選択してダブルクリックすればそのゲームが読み込まれます。また、ゲームのリプレイも保存されているので、リプレイを選択すれば自分の動きを見直すこともできます。
アドオン
アドオンを入手できます。アドオンとは、一般ユーザーが製作した、キャンペーンやマルチプレイヤーゲーム用の時代設定およびマップなどのことで、専用サーバーからダウンロードできます。一度入手したアドオンも必要なくなれば「アドオンの削除」ボタンで削除することができます。
マップエディタ
マップエディタではマルチプレイヤーゲーム用の特製マップや、自作のキャンペーンで用いるマップを製作できます。
言語
表示言語を選択します。最初に Wesnoth を起動した時、システムの標準言語(日本語版 OS なら日本語)を判断できればそれと同じに、できなければ英語に設定されます。しかし、ここで言語を変更すれば、次回からはその言語で表示されます。
設定
標準設定を変更できます。
クレジット
Wesnoth の開発に貢献した人たちの一覧を表示します。彼らに連絡を取りたければ、チャット(IRC):irc.libera.chat:6667 の #wesnoth チャンネルか、https://discord.gg/battleforwesnothを利用すると良いでしょう。
終了
Wesnoth を終了します。
ヘルプ
ヘルプを開きます。ヘルプでは、ユニットやゲームプレイに関する情報が提供されています。ヘルプ内にあるゲームプレイの方法のほとんどはこのマニュアルにも記載されています。
次のヒントを表示します。
前のヒントを表示します。
i
このボタンを押すと、ゲームのバージョンや技術的な情報を見ることができます。トラブルシューティングの際には役に立つでしょう。

1.3. ゲームモード

Battle for Wesnoth には 2 つの基本的な遊び方があります。

  • 複数のシナリオからなるキャンペーンを AI を相手としてプレイする。
  • 1つのシナリオで、 AI または人間と対戦する。

キャンペーンの中には、マルチプレイで遊べるものもあります。

1.3.1. キャンペーン

キャンペーンはストーリーモードのようなものです。キャンペーンでは、戦いとともに物語が進んでいきます。通常、キャンペーンは 10–20 本程度のシナリオを含みます。キャンペーンの良い点は、自分自身の軍隊を育てながら戦うことができるところです。1つのシナリオを終えると、生き残ったユニットは自動的に保存され、次のシナリオでも使用することができます。もし、次のシナリオでは使用しなかったとしても、後のシナリオ以降で彼らは役に立つでしょう。

Wesnoth をプレイする人の多くがキャンペーンを楽しみとしてます。このゲームを新たに始めた人にも、キャンペーンがお勧めです。

1.3.2. シナリオ

1本のシナリオを完了するまでの時間は大体 30 分から 2 時間ぐらいです。短時間でプレイできるのが利点ですが、キャンペーンのように育ったユニットを保存することはできません。 AI を相手にするか、インターネット経由で他のプレイヤーと対戦できます。また、交代で操作を行うことで、コンピュータが1台だけであっても人間どうしで対戦を行うことができます。シナリオは「マルチプレイヤー」ボタンから開始できます。

マルチプレイヤーゲームはインターネット経由でプレイされることが多いです。これらのゲームは Wesnoth マルチプレイヤーサーバーを通じて行われます。マルチプレイヤーゲームにかかる時間は、1 時間で終わることもあれば 10 時間かかることもあります(マップサイズやプレイヤー数によって変化します)。平均的には 3 から 7 時間です。ゲームは途中で保存・再開できるので、ゲームによっては一、二週間になる可能性もありますが、実際にプレイしているのは合計数時間程度です。シングルシナリオでは、ユニットの引継ぎを行うことはできないため、軍隊を育てられるのはそのシナリオの間だけとなります。

「マルチプレイヤー」ボタンをクリックするとマルチプレイヤーゲームの種類を選択する画面が表示されます。

マルチプレイヤーダイアログ

ログイン

マルチプレイヤー用サーバー上で使うニックネームです。もし、あなたがウェブサイトWesnoth forums にアカウントを持っていたならば、それと同じユーザー名とパスワードを公式サーバーで使用することができます。パスワードを要求されたならばそのニックネームは先に使われています。あなたは Wesnoth forums に登録されているユーザー名と同じニックネームは使えないので、ニックネームを変更してください。 なお、フォーラムに登録していなくとも、登録済みではないニックネームを使えば公式サーバーを利用することに問題はありません。

公式サーバーに接続

公式サーバーに接続します。公式サーバーの利用には特別な手続きなどは必要無いので、ネット経由のマルチプレイヤーゲームをするなら公式サーバーがおすすめです。公式サーバーに接続すると、ロビー(待合室)画面が表示されます。ロビーでは、仲間を集めて新しいゲームを立ち上げることもできますし、他の人が立ち上げたゲームに参加することもできます。

サーバーに接続

接続先のアドレスを質問するダイアログが開きます。このダイアログには「リストを表示」ボタンがついており、公式メインサーバーが使用不可能な時に予備サーバーを選択できるようになっています。

公式およびそれ以外のユーザー提供サーバーの完全な一覧は次のウェブサイトにあります。 Multiplayer servers.

また、他のプレイヤーが立てたサーバーに接続することもできます。そのためには LAN 内で誰かがサーバーを起動している必要があり、そのアドレスとポート番号(デフォルトだと 15000 )を入力します。例えば、192.168.0.10 でサーバーが起動しておりデフォルトポート番号を使用していたなら、192.168.0.10:15000 と入力してください。

ネットワークゲームを立てる

外部のマルチプレイヤーサーバーを使用せずにマルチプレイヤーゲームを開始するには、自分でwesnothd というサーバーソフトを開始しなければなりません。このプログラムは「ネットワークゲームを立てる」を選択すると自動的に起動し、全てのプレイヤーがサーバーから離れると終了します。他のプレイヤーは TCP のポート番号 15000 からサーバーに接続できます。もし、あなたがファイアウォールを使用している場合、サーバーへの接続が上手くいかないかもしれません。しかし、ファイアウォールの設定を変更するとネットワークセキュリティに問題が起こる可能性があるため、何もしないほうがよいでしょう。そのような場合は公式サーバーを利用することを強くお勧めします。

ローカルゲーム

1台のコンピューター上でゲームを行うことができます。人間のプレイヤーと対戦する場合は、コンピューターを交代で操作しながらゲームを行います。これをホットシートと呼び、ネットを通じて対戦するゲームと同程度の時間を必要とします。また、対戦相手には AI を選択することもできます。人間の相手と対戦する前に、AI と対戦してマルチプレイヤーゲームで使用されるマップや党派に慣れておくとよいでしょう。もちろん、友人とともに AI と戦うこともできます。

1.3.3. ゲーム画面

ゲーム画面

プレイしているシナリオやキャンペーンが異なっていても、基本的な画面構成は同じです。画面の大半にはマップ(の一部)が表示されています。その周囲にはさまざまな要素が配置されており、ゲームで役に立つ情報を提供しています。詳細は下に記述します。

トップパネル

トップパネル(画面の上部に存在する細長い領域)の要素を左から右へ順番に説明します。

  1. メニューボタン
  2. アクションボタン
  3. ターン(現在のターン / そのシナリオに設定されているターン制限)
  4. 所持ゴールド
  5. 村の数(自軍が所有している村 / マップ全体の村)
  6. 自軍の合計ユニット数
  7. 維持費
  8. 収入
  9. 現在時刻(マルチプレイヤーゲームで持ち時間が設定されている場合は、残り持ち時間)

右パネル

画面の右の部分を上から下へ順番に説明します。

  1. マップ全体の縮小表示
  2. マウスカーソルがあるヘクスの座標(x軸、y軸)、選択中のユニットの回避率と移動コスト
  3. マウスカーソルのあるヘクスの種類
  4. 時刻
  5. 最後に選択されたユニットの詳細
  6. ターン終了ボタン

1.3.4. 雇用と召還

キャンペーン開始時(またはシナリオ開始時)にはマップ上に極少数のユニットしかいません。その中にはあなたによって操作される司令官(小さな金の王冠がついているリーダー)が含まれているでしょう。大抵の場合、司令官は城内の特別なヘクスである主塔にいます。司令官が主塔にいて十分なゴールドを持っている時ならいつでも、新兵を雇用できます。ただし、自分自身の主塔だけでなく、最初は敵が所有していた主塔を奪った場合でも雇用は行なえます。後半のシナリオでは、それまでの戦いを生き残り経験を積んだユニットを召還できるようになるでしょう。雇用と召還を行うことで、敵を倒すための軍隊を作り上げていくのです。

戦いの最初にすべきことは、ユニットの雇用です。Ctrl+rキーを押すか、城の空いているヘクスで右クリックしてから「雇用する」を選択することで、雇用できるユニットの一覧が表示されます。そして、雇用したいユニットを選択すると、選択したヘクスにユニットが出現します。城の空きヘクスが全て埋まっている場合、次のターンでユニットを移動させるまで次の雇用はできなくなります。敵の司令官も自身の主塔で軍隊を編成していることでしょう。敵軍の侵攻を指をくわえて眺めている場合ではありません。これは必ず勝利しなければならない戦争なのです。

シナリオを成功して終了した時には、自軍の生き残りユニット全員が自動的に保存されます。次のシナリオでは、彼らを「召還」できます。召還の方法は雇用とほぼ同じです。召還された部隊は雇用されたての新兵よりも経験を積んでいるため、大抵の場合は雇用よりも良い選択になります。

1.3.5. あなたの軍隊

Wesnoth では同じ性質を持つ同一種類の兵士をユニットと呼び、全てのゲーム形式(キャンペーンやマルチプレイヤー)で共通のユニットが使用されています。それぞれのユニットには敵の攻撃に対する耐性・今いる地形・レベルなどによる相性があります。ユニットの詳細はヘルプで確認することができます。

1.3.6. 生と死 - 経験値

ユニットは戦いの中で経験値を獲得し、強くなっていきます。戦場に出るからには、もちろん命を落とすユニットもいます。そして、ユニットが足りなくなれば、追加の雇用・召還をしなければなりません。その時には、ユニットを賢く選択しましょう。ユニットにはそれぞれ長所と短所があり、敵の弱点を突くことができれば素早く勝利することもできます。

1.3.7. 勝利と敗北

シナリオの開始時にはシナリオの目標が表示されますので、良く確認しておきましょう(シナリオの目標は後で確認することもできます)。通常は敵のリーダーをすべて倒せば勝利、自軍のリーダーが殺されてしまえば敗北となります。しかし、シナリオによっては他の勝利目標があるかもしれません。例えば、リーダーを指定された場所に移動させる、誰かを助ける、パズルを解く、所定のターン数経過するまで包囲攻撃に耐える、といった勝利目標があります。

シナリオをクリアするとマップは薄暗くなり、「ターン終了」ボタンが「シナリオ終了」に変わります。このボタンを押して次に進む前に、保存オプションの変更や、(マルチプレイヤーゲームの場合には)ほかのプレイヤーとのチャットなどが行えます。

1.3.8. ゴールド

軍隊はゴールド無くして戦うことはできません。兵士の雇用と維持にはゴールドが必要です。シナリオ開始時のゴールドは、前回のシナリオ終了時に所持していたゴールドのうちの何割か(シナリオごとに決められています)となります。また、前回のシナリオで十分なゴールドを稼げなかったとしても、各シナリオには最小ゴールドが設定されているのでそれを下回ることはありません。ゴールドを獲得するには、シナリオの目標を素早く達成する必要があります。また、自軍が所有している村ひとつごとに毎ターン 2 ゴールドを得ることができます。そのため、村をなるべく多く、長く所有し続けることも重要です。現在のゴールドと収入は画面の上にある部分に表示されています。詳しくはゲーム画面を確認してください。

1.3.9. 保存と再開

シナリオの開始時に、ゲームの状態が自動的に保存されます。もし、あなたが敗北したならそこからゲームを再開してやり直すことができます。もちろん、一度でも勝利することができれば、次のシナリオに移り、そのシナリオの開始時に再びゲームが保存されることになります。もし、シナリオを遊んでいる途中でゲームを中断したくなれば、あなたのターンでゲームを保存して後ほど再開できます。Battle for Wesnoth に熟練したプレイヤーの場合は、シナリオを途中で保存することはほとんどありません。しかしながら、大半の初心者は頻繁に保存をしたがるようです。

第2章 プレイ方法

2.1. 操作

ホットキーの設定を確認または変更したければ、設定メニューを開きホットキータブを選択してください。

2.2. ゴールド

シナリオ開始時に各陣営は初期ゴールドを所持しています。そして、毎ターン2ゴールドのデフォルトの収入があり、所有している村1つにつき2ゴールドずつ収入が増えます。キャンペーンでは前回のシナリオ終了時に所持していたゴールドのうち何割かと、シナリオに設定されている最小ゴールドの合計が初期ゴールドとなります。通常その最小ゴールドは難易度が低いほど増加します。

2.2.1. 雇用と召還

雇用ダイアログ

ゴールドの主な使い道は、新兵を雇用するか以前のユニットを召還することで、軍隊を作り上げることです。雇用または召還は、リーダーが城の主塔におり、その城に空きヘクスがある場合のみ可能です。

  • 城の空きヘクスを右クリックしてから「雇用する」を選択することでユニット一覧からユニットを雇用することができます。雇用にかかる金額はユニットにより異なりますが、大抵は 10 から 20 ゴールドの間です。
  • 城の空きヘクスを右クリックしてから「召還する」を選択すると召還可能なユニットの一覧が表示され、以前のシナリオのユニットを召還することができます。召還にかかる金額は一律 20 ゴールドです。詳しくはユニットの召還を見てください。

2.2.2. 維持費

それぞれのユニットには維持費が発生します。一般的に、そのユニットに忠義特性がない限り、レベルと同じ維持費がかかります。リーダーや自主的に参戦したユニットは、大抵は忠義特性を持ちます。維持費の合計がその陣営の占領している村の数を上回る場合に限り、維持費が徴収されます。よって、実際に維持費として減少するゴールドは村の数によって変化します。

2.2.3. 収入

従って、最終的な収入は以下の式によって決定します。

 2 + 村の数 − ( 0 か (維持費 − 村の数) の大きい方 )

忠義を持たないユニットのレベルの合計が維持費となります。

もし維持費が村の数+2を上回るとその陣営はゴールドを失いはじめます。等しければゴールドの増減はありません。

2.3. ユニット

Battle for Wesnoth には個性豊かな数百種類のユニットが存在します。加えて、大部分のユニットは特性を持っており、ユニットの種類が同じでも個体ごとに微妙に能力が異なります。また、独自のユニットを作成し、自作のキャンペーンやシナリオに登場させることもできます。

全てのユニットはヒットポイント(HP)、移動力、戦闘時の武器をステータスとして持ちます。加えて、ユニットは特殊能力を持つ可能性があります。その詳細はこの項目で説明されます。

2.3.1. アラインメント

全てのユニットは秩序・中立・混沌・薄明の中からどれか一つのアラインメントを持ちます。アラインメントはそのユニットがゲーム内の時刻によって受ける影響のことです。中立ユニットは時刻の影響を受けません。秩序ユニットは敵に与えるダメージが昼間は大きく、夜間は小さくなります。逆に混沌ユニットは敵に与えるダメージが昼間は小さく、夜間は大きくなります。薄明ユニットは敵に与えるダメージが昼夜ともに小さく本来の力を発揮できるのは夜明けと夕方だけです。

昼夜にはそれぞれ、朝と午後、夜と深夜の二種類ありますが、ゲームへの影響に違いはありません。

次の表は秩序・混沌・薄明ユニットの時刻ごとの影響を示しています。(中立ユニットは時刻に全く影響されないため、表からは省かれています)

表2.1 時刻とダメージ

ターン 表示 時間帯 秩序 混沌 薄明
1 images/schedule-dawn.png 夜明け -- -- --
2 images/schedule-morning.png 日中(朝) +25% −25% −25%
3 images/schedule-afternoon.png 日中(午後) +25% −25% −25%
4 images/schedule-dusk.png 夕暮れ -- -- --
5 images/schedule-firstwatch.pn 夜間(夜) −25% +25% −25%
6 images/schedule-secondwatch.png 夜間(深夜) −25% +25% −25%
特殊 images/schedule-underground.png 地下 −25% +25% −25%

地下で行われるシナリオがあることに気をつけましょう。地下は常に夜として扱われます!

例: ここで秩序ユニットと混沌ユニットが対戦するとします。両者の基礎攻撃力は共に 12 です。夜明けと夕暮れの時刻には両者とも攻撃が命中した時のダメージは 12 です。朝から午後までの時刻には、秩序ユニットは(12 x 1.25)つまり 15 ダメージ、混沌ユニットは(12 x 0.75)つまり 9 ダメージを敵に与えます。逆に夜から深夜までの時刻には秩序ユニットは 9 ダメージ、混沌ユニットは 15 ダメージになります。

もし、同じ条件で中立ユニットが戦闘したなら、時刻に関係なく 12 ダメージを敵に与えます。

2.3.2. 特性

それぞれのユニットはその個性が反映された特性を持ちます。特性はユニットが作り出される時にランダムに割り当てられます。大半のユニットは 2 つの特性を持ちます。

大半のユニットに適用される特性は次の通りです。

知的
知的なユニットは通常より 20% 少ない経験値でレベルアップできます。ただし、トロル族にこの特性が与えられることはありません。 知的なユニットはレベルアップが早いため、キャンペーンの開始時には大変便利です。最高位後昇進(AMLA:After Maximum Level Advancement)はレベルアップほど重要な変化ではないため、キャンペーンの後半では知的はそれほど有用ではなくなります。もし多くの最高レベルユニットがいるなら、より望ましい特性をもつユニットを召還したほうがよいかもしれません。
敏捷
敏捷なユニットには移動力が 1 追加されますが、最大 HP は 5% 減少します。 敏捷は、特にトロルや重歩兵のような動きの遅いユニットで、最も注目に値する特性です。「敏捷」特性をもつユニットは荒い地形において機動力が大幅に上昇するため、部隊を編成する際には考慮すべきです。また敏捷なユニットは、この特性を持たないユニットよりも脆くなるため、激しい戦線を維持するのは苦手です。
頑強
頑強ユニットは最大HPが(4+レベル)追加されます。 頑強はキャンペーンの全ての段階において便利であり、あらゆるユニットにとって有用な特性です。HPが少ないかわりに高い回避率や高い耐性を持つようなユニットには、特に重要な意味があります。頑強なユニットは戦線を維持する上で、非常に重要な存在です。
強力
強力ユニットは近接攻撃の基本ダメージが 1 上昇し、最大 HP も 1 追加されます。 全ての近接戦ユニットに有用であり、エルフの戦士のような攻撃回数の多いユニットにとって、最も効果があります。また、敵ユニットを仕留めたい場合、他の同種ユニットでは2回ヒットする必要があったとしても、強力ユニットならば一撃で仕留められる場合があることを覚えておきましょう。

特定のユニットまたは種族にのみ割り当てられる特性も存在します。以下はその一覧です。

器用
器用はエルフにのみ備わることがある特性です。器用を持つユニットは、遠隔攻撃の基本ダメージが1上昇します。エルフは不思議な優雅さを持ち、弓術の優れた才能があることで知られています。さらに、一部の者は同胞をさらに上回る天性の才能を持っているのです。
勇敢
不利な時刻でも、勇敢を持つユニットは攻撃力が減少することがありません。重歩兵、グール、トロル、歩く死体のみが持つ特性です。
野生
野生特性を持つユニットは村において50%しか回避率を得ることができません。村のベース地形が何であっても同様です。この特性を持つユニットの例としては、コウモリ、鷹などが存在します。
壮健
ドワーフはタフなことで有名ですが、壮健特性を持つのはその中でも特にたくましいドワーフです。壮健を持つユニットは、移動している間でも体力が少しずつ回復します。壮健なユニットは最大 HP が(1 + レベル)追加されますし、毎ターン無条件で HP が 2 回復します。

ランダムに割り当てられることがない特性も存在します。これらの特性はシナリオ開発者が登場人物に割り当てるか、ユニットのタイプに応じて決定されます。

老化
年老いたユニットは老化特性を持ち、最大 HP が 8 減少し、移動コストと近接攻撃のダメージも 1 ずつ減少します。
凡愚
凡愚の特性を持ったユニットは、レベルアップに必要な経験値が 20% 増加します。
精霊
精霊ユニットは命を持たず、毒・生命吸収・疫病が効きません。精霊ユニットは、基本的に精霊特性しか持ちません。
忠義
キャンペーンの間、ある種のユニットは自分自身の意思でプレイヤーの戦力に加わることを選択します。これらのユニットは忠義特性を持つとされます。彼等は召還される際には支払いが必要ですが、維持費は全くかかりません。長いキャンペーンの間にゴールドが不足した時などには、忠義ユニットは非常に役にたちます。この特性は雇用されたユニットには決して与えられません。そのため、忠義ユニットを解雇したり愚かな死に追いやることは、何としてでも防ぐべきです。
機械
機械ユニットには命がないので、毒は効きません。同様に、生命吸収や疫病も効果がありません。機械ユニットは基本的に機械特性のみを持っています。
鈍重
鈍重特性を持つユニットは移動力が 1 減りますが、HP が 5% 増えます。
アンデッド
アンデッドのユニットには毒は効きません。同様に、生命吸収や疫病も効果がありません。アンデッドのユニットは基本的にアンデッド特性のみを持っています。 アンデッドのユニットは戦うために甦った死体であるため、毒は全く効きません。このため、攻撃において毒を使う敵を相手にする場合には、貴重な存在となります。
非力
非力の特性を持つユニットは、HP が 1 少なくなると同時に、近接攻撃で与えるダメージも 1 少なくなります。

2.3.3. 特殊武器

ある種のユニットは特殊攻撃を持っています。以下に特殊攻撃の一覧を示します。

奇襲
攻撃時に使用された場合、もし攻撃対象の反対側にその対象の敵がいて、かつその反対側のユニットが能力を奪われて(例えば石化していたり麻痺しているなど)いない場合、この攻撃は倍のダメージとなります。
狂戦
攻撃時・防御時の両方において、この攻撃が戦いで使われた場合、いずれかの戦闘ユニットが倒れるまで交戦をやめません。もしくは、 30 回の攻撃が行われると終了します。
突撃
攻撃時に使用された場合、敵へ与えるダメージが倍となります。しかし、敵からの反撃によって受けるダメージも倍となります。
生命吸収
生者から生命力を奪って、与えたダメージの半分(小数点切り捨て)だけ自分の HP を回復させます。
先制
たとえ防御時であっても先に攻撃します。
魔法
敵ユニットの能力に左右されず、常に命中率が 70% となります。
精密
攻撃時に使用された場合、最低でも 60% の確率で命中します。
疫病
疫病攻撃によってユニットが倒された場合は、倒されたユニットは疫病を持つユニットと同じ陣営の歩く死体(これも疫病攻撃を持つ)に置き換えられます。疫病の効果はアンデッドや村にいるユニットには発揮されません。
敵ユニットが生物の場合、毒攻撃を命中させることで毒状態にします。毒を受けているユニットは解毒するか HP が 1 になるまで、毎ターン HP が 8 減っていきます。毒のみでユニットが死ぬことはありません。
鈍重
この攻撃は、敵ユニットのターンが終わるまでターゲットを遅化状態にします。遅化状態のユニットは、攻撃によるダメージが半減し、移動コストも倍になります。遅化状態のユニットは、サイドバーにカタツムリのアイコンが表示されます。
石化
標的を石化させ、石へと変えます。石化したユニットは移動や攻撃はできません。
群れ
ユニットが傷ついていると、この攻撃の回数が減少します。攻撃回数はそのユニットが持つ HP と最大 HP の割合に比例します。例えばユニットの HP がその最大 HP の 3/4 だった場合、攻撃回数も 3/4 になります。

2.3.4. 能力

一部のユニットは自分や他のユニットに何かしらの影響を与える能力を持ちます。能力の一覧を以下に示します。

伏兵
森に潜むことで、敵から身を隠します。伏兵ユニットが森にいるときは、敵は伏兵ユニットを見つけることができません。ただし、伏兵ユニットの隣のヘクスまで近づけば気づくことができます。隠れているユニットに遭遇してしまった場合、そのターンはそれ以上移動できなくなります。
潜伏
村(水中の村は除く)に潜むことで、敵から身を隠します。潜伏ユニットが村にいる場合、敵は潜伏ユニットを見つけることができません。ただし、潜伏ユニットの隣のヘクスまで近づけば気づくことができます。隠れているユニットに遭遇してしまった場合、そのターンはそれ以上移動できなくなります。
治療
毒を受けたユニットを治療することができます。ただし、解毒を行うターンには、村や「回復」能力による回復を受けることはできません。
摂食
敵ユニットを倒すごとに最大 HP が 1 増加します。ただし、疫病が効かないユニットを倒した際には、この能力は発動しません。
回復 +4
隣のヘクスにいる自軍・同盟軍のユニットの HP を、ターン開始時に 4 回復します。回復対象のユニットが毒を受けている場合は、解毒を行うことはできませんが、代わりに毒のダメージを無効化します。完全な解毒を行いたければ、村や治療ユニットを利用しましょう。
回復 +8
隣のヘクスにいる自軍・同盟軍のユニットの HP を、ターン開始時に 8 回復します。回復対象のユニットが毒を受けている場合は、解毒を行うことはできませんが、代わりに毒のダメージを無効化します。完全な解毒を行いたければ、村や治療ユニットを利用しましょう。
照明
周囲を明るくして、秩序ユニットを強化し、混沌ユニットを弱体化させます。照明ユニット自身と隣接するユニットは、夜には夕暮れのように、夕暮れには昼であるかのように戦うことになります。
統率
隣接する自軍ユニットを指揮し、彼らが敵に与えるダメージを増加させます。この効果の対象となるのは、統率ユニットよりも低レベルのユニットです。このユニットとのレベルの差に応じて、与えるダメージが 25% ずつ増加します。
隠密
夜間には、敵は隠密ユニットを見つけることはできません。ただし、隠密ユニットの隣のヘクスまで近づけば気づくことができます。隠れているユニットに遭遇してしまった場合、そのターンはそれ以上移動できなくなります。
再生
毎ターン、自身の HP を 8 回復します。毒を受けているなら、回復する代わりに解毒を行います。
散兵
敵の間を素早く移動することで、すべての敵の支配領域(ZOC)を無視します。
装甲
防御時、自身の耐性が 2 倍になります。ただし、この能力によって耐性が 50% より上になることはありません。また、弱点(0% 以下の耐性値)には影響しません。
潜水
水中深くに隠れることで、敵に見つからなくなります。潜水ユニットが深水ヘクスにいるとき、敵は潜水ユニットを見つけることができません。ただし、潜水ユニットの隣のヘクスまで近づけば気づくことができます。隠れているユニットに遭遇してしまった場合、そのターンはそれ以上移動できなくなります。
瞬間移動
移動力を 1 使うことで、その陣営が所有する 2 つの村の間を瞬間移動することができます。ただし、その 2 つの村ヘクスの上に他のユニットがいる場合は使用できません。

2.3.5. 経験値

戦闘に参加することで、ユニットは経験値(XP)を手に入れます。十分な XP を獲得すると、より強力なユニットにレベルアップできます。得られる XP は敵のレベルと戦闘結果に依存します。具体的には、敵ユニットにとどめをさした場合、敵ユニットのレベル×8 の XP を取得できます。また、敵ユニットがレベル 0 の場合でも 4 XP を取得できます。とどめをさせなかった場合でも、敵ユニットのレベルと同じ値の XP を取得できます。

表2.2 敵のレベル別取得経験値

敵のレベル とどめをさした場合 とどめをさせなかった場合
0 4 0
1 8 1
2 16 2
3 24 3
4 32 4
5 40 5
6 48 6

2.3.6. ユニットの召還

シナリオの終了後、自軍の生存ユニットは次のシナリオで召還可能になります。雇用・召還されたユニットは、そのターンは移動も攻撃もできません。召還リストにいるユニットは以前のレベル・XP・アイテムを維持しており、HP が満タンの状態で召還されます。

2.4. 移動

ユニットをクリックすると、このターン中に移動可能なヘクスが明るく表示されます。また、数字キーの 2 から 7 を押すと、押した数字のターン以内に移動可能なヘクスが明るく表示されます。ユニットをクリックで選択してからマウスカーソルを他のヘクスに移動させると、そのヘクスまでの到達経路、到着するまでのターン数、そのヘクスでの回避率が表示されます。ユニットの選択をキャンセルしたいときは、他のユニットをクリックするか、nまたはNキーを押すか、マップを右クリック(Macでは Command+クリック)してください。また、HP バーの上についている宝珠によって、そのユニットが移動終了済か、まだ移動を行えるのかなどを判断することができます。

選択中のユニットを移動させる場所を決めたのなら、そのヘクスをクリックしましょう。そうすることで、ユニットはそのヘクスに向けて移動し始めます。現在のターンでは到着できないヘクスを目的地としたなら、ユニットはできる限りそのヘクスへ向けて移動してから、進行モードに入ります。進行モードでは、ユニットは目的地に到着するまで、毎ターン移動し続けます。進行モード中は、途中でユニットをクリックすることで目的地を選択し直すこともできますし、再度クリックすることで進行モード自体を取り消すこともできます。

中立または敵所有の村の上に移動すると、その村の所有権を獲得してユニットは移動を終了します。

ほとんどのユニットには支配領域(ZoC:Zone of Control)を持つので、ZoC によってユニットの移動範囲は制限されます。ZoC による移動制限は移動可能領域の表示にも反映されています。

2.4.1. 支配領域(ZoC:Zone of Control)

ZoC とは、ユニットがいるヘクスの周囲 6 ヘクスのことを指します。敵ユニットの ZoC に移動したユニットは、その時点で残りの移動力を失い、立ち止まらざるを得なくなります。散兵能力を持つユニットは敵の ZoC を無視できるため、自由に移動できます。レベル 0 のユニットは ZoC を持たないため、レベル 0 ユニットの周囲は自由に移動することができます。

2.4.2. 宝珠

各ユニットの隣には HP バーが表示されていますが、その HP バーの上には宝珠と呼ばれるものが表示されています。宝珠は、以下の表に示すように、ユニットの状態を表しています。

表2.3 宝珠

宝珠 表示 説明
緑の宝珠 このターンにまだ移動を行っていない自軍のユニット
黄の宝珠 移動を行った後だが、まだ追加の移動・攻撃を行うことができる自軍ユニット
赤の宝珠 行動済みで、もう移動・攻撃を行うことはできない自軍ユニット
赤と黄色 2 色の宝珠 このターン中に攻撃済みであるが、まだ移動可能な自軍ユニット
青の宝珠 同盟軍のユニット。同盟軍のターン中は緑、黄色、または赤の宝珠が表示される
- 宝珠無し 敵ユニットの場合、HPバーの上に宝珠は表示されない

2.4.3. 楕円、チームの色、英雄アイコン

通常、各ユニットの足下には色つきの楕円が表示されます。色はその所属している陣営ごとに異なります。この色はユニットの衣服にも反映され、盾に刻み付けられた紋章に影響することもあります。

大抵の場合、楕円の輪郭は実線なのですが、レベル 0 ユニットの場合は破線となります。これは支配領域(ZoC:Zone of Contorol)をそのユニットが持たないことを意味します。

雇用ができるユニットの足下には星形が表示されます。他のユニットは通常、楕円形が表示されます。

キャンペーンによっては、少し小さい星形が足下に、銀色の王冠のアイコンが HPバーの上に表示されることがあり、それらはヒーロー(例えばシナリオの途中で死亡してはならないなどの特別なユニット)であることを示します。ただし、これらの表示をするかどうかは、キャンペーンの制作者に選択が委ねられています。

2.5. 戦闘

自軍ユニットを敵ユニットの隣に移動させることで、敵ユニットを攻撃することができます。攻撃を行うには、まず自軍ユニットをクリックしてから狙いの敵ユニットにマウスカーソルを移して再度クリックします。すると、使用する武器を選択するためのダイアログが開きます。ユニットは複数の武器を持っていることがあり、例えば剣は近接武器、弓は遠隔武器に分類されます。

もし、自軍ユニットが近接武器で攻撃したなら、敵も近接武器を使って反撃してきます。逆に遠隔武器で攻撃したなら、敵も遠隔武器を使って反撃してきます。そして、射程が同じ武器を敵ユニットが持っていなければ、その戦闘中には反撃を受けることはありません。

ダメージ型が異なれば、与えられるダメージの量も変化します。また、武器によっては攻撃回数も異なるでしょう。例を挙げると、エルフの戦士は、5ダメージを与える剣で4回攻撃を行います。5ダメージの4回攻撃は、ゲーム中では 5x4 と表記されます。

ヘクスの地形によってユニットの回避率(敵の攻撃が命中しない確率)は変化します。簡単に言うと、城や村に居るユニットや、森にいるエルフは回避率が高いため敵は攻撃を命中させるのが難しくなります。各ユニットの特定の地形での回避率を見たければ、ユニットをクリックしてから、その地形にマウスカーソルを移してみてください。すると、ヘクス上に回避率が表示されます。また、ステータス画面にも回避率は表示されます。

戦闘ダイアログの右下にある「ダメージ計算」ボタンをクリックしてみましょう。すると、攻撃側と防御側それぞれの死亡確率など、戦闘に関する情報を確認することができます。

2.5.1. ダメージ型

  • 斬撃:敵の肉体を切り裂く鋭い武器です。例:ダガー、シミター、サーベル、かぎ爪
  • 刺突:武器の先端は鋭く尖っており、敵の体を貫いて内蔵にもダメージを与えます。例:槍、矢
  • 打撃:武器には鋭い先端も刃もありませんが、質量によって相手を叩き潰します。例:メイス、杖、拳
  • 冷気:氷によって生成された武器です。氷や冷気そのものを相手にぶつける場合もあります。例:冷気の波動
  • 火炎:燃え盛る炎で、敵を焼き鳥の如く焼き尽くします。例:火炎のブレス
  • 秘術:ゾンビ、ゴースト、アンデッドなどの、魔法によって生み出された者たちに著しいダメージを与えます。例:白魔術師の魔法攻撃

2.5.2. 耐性

ユニットは各ダメージ型に対して受けるダメージが変化します。ヘルプ中にあるユニットの解説ページでは、6 つのダメージ型それぞれに対する耐性が記述されています。耐性の値が大きいほど、そのダメージ型の攻撃によって受けるダメージを減少させます。逆に、耐性の値が 0 より小さければ、そのダメージ型の攻撃によって受けるダメージが増加してしまいます。

例:ドレークのうろこはほとんどのダメージ型に対して強靭ですが、刺突と冷気が弱点です。人間の騎兵は基本的に高めの耐性を持ちますが、刺突攻撃が弱点になっています。(スケルトン系)アンデッドは斬撃や刺突には非常に強いのですが、打撃や秘術に対してとても弱いです。

敵を確実に倒したければ、敵の弱点を突くと良いです。

2.6. 回復

村や回復能力によって、ユニットはターンあたり最大 8 ポイント回復することができます。また、ターンを通じて移動も戦闘も一切しなかったユニットは休息状態となり、ターンあたり 2 ポイント回復します。休息は他の回復手段と重複できるので、ターンあたり最大 2+8=10 ポイント回復する場合もあります。

ユニットを回復させるには、基本的には以下の 2 つの方法を用います。

  • 村のあるヘクスでターンを終えることで、ターンあたり 8 ポイント回復できます。
  • 回復能力を持つユニットに隣接してターンを終えることで、回復することができます。回復する HP の数値は回復能力を持つユニットごとに異なり、回復 +4または回復 +8が一般的です。

2.6.1. 再生

トロルとウーズは自己再生能力を持っています。それらのような「再生」能力を持つユニットは、負傷している時にはターンあたり 8 ポイント回復します。また、「再生」による回復は村や回復ユニットの能力と重複することはできません。

2.6.2. 毒

一部の攻撃はユニットを毒状態にします。毒状態のユニットは、解毒されるまでターンあたり 8 ダメージを失い続けます。解毒を行うには、村に滞在するか治療能力を持つユニットに隣接した状態でターンを終える必要があります。回復能力のみを持つユニットは毒によるダメージを抑えることはできますが、解毒を行うことはできません。解毒されたターンには、毒によるダメージや他の回復効果を受けることはありません。そのため基本的に、毒状態のユニットの HP が回復することはありません。休息によって毒のダメージを軽減することはできますが、それだけでは解毒を行うことはできません。

回復のヒント

  • ユニットを全回復するには、たいていの場合複数ターンかかります。
  • ヒーラー(エルフの呪術師・ドルイド僧・シェード、白魔術師、光の魔術師、聖騎士)は隣接するユニット全てを回復することができます。よって、ヒーラー(回復ユニット)自体は最前線に出ずとも、最前線のユニットをその後ろから回復することができます。
  • ヒーラー(回復ユニット)が敵ユニットを回復することはありません。
  • ヒーラー(回復ユニット)は自分自身を回復することはできません。
  • ヒーラー(回復ユニット)を 2 人 1 組で運用すれば、お互いに回復させることもできます。
  • 同盟軍のヒーラー(回復ユニット)は、そのユニットのターン開始時に自軍や他の同盟軍のユニットも回復してくれます。つまり、自軍のヒーラーの回復効果と重複させることができます。そのため、同盟軍と自軍のヒーラーを組み合わせることで、高速に回復を行うことができます。
  • トロルとウーズは他のユニットを回復することはできません。
  • トロルとウーズは自身の毒を解毒することができます。

第3章 戦略とヒント

3.1. 基本戦略

戦闘の基本とヒントを紹介します。立派な Wesnoth 軍人となるための助けになるでしょう。具体例のうちのいくつかは、キャンペーンの「王位継承者」を基準にしています。

3.1.1. ユニットを無駄死にさせるな

負傷しているユニットを死地に送り出してはなりません。ユニットの HP が半分以下となったら、ユニットの命を守るように行動すべきです。つまり、そのユニットを安全な村に撤退させるか、ヒーラー(例:エルフの女呪術師や白魔術師)の手当てを受けさせましょう。ヒーラー(回復ユニット)は非常に重要です!

重傷を負っているユニットは攻守の両面において役に立ちません。なぜなら、防御に使おうにもすぐに倒されてしまうでしょうし、攻撃をしようとしても敵の反撃によってユニットは倒されてしまうからです。さらに、ユニットを死なせてしまうと、今までに集めたXPは失われます。また、リーダーが主塔を離れていたり、ゴールドが不足している場合など、失ったユニットの代わりを雇うこと自体が難しい場合も多いのです。もし新たなユニットを雇用できたとしても、大抵の場合、主塔と戦線は遠く離れています。そのため、ユニットをできる限り失わぬように気をつけましょう。

3.1.2. 敵の移動可能範囲を避けろ

負傷しているユニットを守るにはどうすればいいのでしょうか?一番簡単な回答は、敵の移動可能範囲外にユニットを移動させることです。どんな敵であっても、近づかなければ攻撃することはできません。次章では支配領域(ZoC:Zone of Control)によって敵の移動を制限する方法を示します。

「アクション」メニューにおいて「敵の移動可能範囲の表示」を選ぶと、(自軍ユニットのZoCを考慮した場合の)敵ユニットの移動可能なヘクスがすべて強調表示されます。この機能を利用して、守るべきユニットに敵の手が届かないことを確認しましょう。

敵軍と接触する時には、自軍の方から先制攻撃を仕掛けたいところです。そのためには、敵の移動可能範囲内に留まるのは避けるべきです。そうすることで、敵の先制攻撃を防ぎ、自軍の移動可能範囲内に敵を誘うことができます。

3.1.3. 支配領域(ZoC:Zone of Control)を駆使して防衛せよ

レベル 1 以上のユニットは隣接する 6 つのヘクスをカバーする支配領域(ZoC)を持ちます。敵ユニットが ZoC に踏み込むと残りの移動力を失い、そのターンはもう移動できなくなります。しかし、散兵能力を持つユニットは例外的に ZoC を無視することができます。

一直線上に 1 〜 2 ヘクス間隔を開けて 2 体の自軍ユニットを設置すると、敵ユニットはその間を通過できなくなります。これは、自軍ユニットのZoCが働いているためです。このようにユニットを一直線上に並べると防衛線を築くことができますので、負傷しているユニットを守るために利用しましょう。こうすることで、目標のユニットを倒す前に、まず ZoC を構成しているユニットを倒すことを敵に強要することができます。敵がこちらの陣に到達できたとしても、たった 1 体のユニットによって後ろの集団への攻撃が妨害されてしまうのです。

3.1.4. 防衛線を維持せよ

複数のユニットを隙間なく、または 1 マス間隔で一列に並べることで、強固な防衛線を構築できます。ただし、Wesnoth のマップはヘクス(6角形)のタイルから構成されているため、東西方向に敷かれた防衛線は、一直線にならずジグザグになります。南北方向または斜め方向なら、直線の防衛線を敷くことができます。

一つの方向から敵が攻めてくる場合は、防衛線を構成している各ユニットを敵は一度に 2 ヘクスからしか攻撃できません。原則的に、特定の弱点を持たないユニットは、HP が満タンであれば自身以下のレベルを持つ 2 体の敵ユニットからの攻撃には耐えることができます。

しかしながら、防衛線は楔(くさび)形に曲げざるを得ないことがほとんどですし、地形に合わせて形が崩れることも多いです。楔形の角の位置にいるユニットは3方向から攻撃を受けることになり、その部分が防衛線のウィークポイント(弱点)となります。また、防衛線が短すぎる時には、防衛線の両端もウィークポイントとなるでしょう。ウィークポイントには、高 HP かつ適切な地形効果(または敵攻撃のダメージ型に対する高い耐性)を持つユニットを配置すべきです。ウィークポイントを守るユニットは命を落とすことが多いため、経験値(XP)が貯まっていないユニットを配置すると良いでしょう。

ユニットを 1 列に並べることで、ユニットが敵に包囲されるのを避けることができます。また、2 体の敵ユニットに挟まれたユニットは、ZoC によってほとんど身動きが取れなくなります。

3.1.5. 負傷兵を交代させ、戦線を維持せよ

戦線でユニットが重傷を負った時、その傷ついたユニットを戦線の背後に撤退させるべきです。そして、戦線を維持するために、健全なユニットを代わりに送るべきでしょう。そのために、前線の後ろに交代用のユニットを用意しておくと良いでしょう。また、ヒーラー(回復ユニット)がいれば、ダメージを受けて撤退したユニットを素早く回復することもできます。

ユニットは、自軍・同盟軍ユニットのいるヘクスならば自由に通過することができます。覚えておきましょう。

3.1.6. 地形を活かすべし

自軍の回避率が高く、敵軍の回避率が低くなるようにユニットを設置しましょう。そうすることで、敵の反撃によるダメージを最小限に減らすことができます。

例えば、エルフが森の端に配置されており、そこにオークが攻撃をしかけるとします。エルフは森で高い回避率を発揮できますが、オークは回避率の低い草原から攻撃せざるを得ないため、エルフが有利となります。

3.1.7. 攻撃対象を選ぶべし

前進して攻撃することこそが戦いの醍醐味でしょう。行く手に立ちふさがる敵を倒し、戦線を押し進めるのです。しかし、自分がターンを終了して敵のターンに移れば、敵は反撃を仕掛けてくるでしょう。

しばしば、あなたは敵の 1 ユニットを倒すために複数のユニットを投入します。しかし、それによって自軍の防衛線は部分的に崩れてしまうでしょう。他の敵ユニットが遠くにいれば良いのですが、敵ユニットがそのターン中に仕留めきれないほど強い場合には、敵のターンに反撃を受けることになります。

戦闘を始める際には、先に仕掛けた方が有利となります。敵のそれぞれのユニットに対して、有利な自軍ユニットを選んでぶつけることができるからです。例えば、遠隔武器を持たない敵ユニットに対して遠隔武器を持つ自軍ユニットを差し向けると、自分のターン中は一方的に攻撃することができます。また、騎兵に対して刺突ユニットを差し向けるといったように、弱点を突くことも大切です。ただし、敵のターンになれば、敵も同様の戦術を用いてきますので、注意してください。

例えば、騎兵はオークの兵卒やトロルの子供に対して防衛線を維持しやすいです。なぜなら、騎兵は斬撃や打撃に対して耐性を持っているからです。しかし、オークの弓兵やゴブリンの槍兵は、刺突攻撃によって騎兵を容易く倒すことができます。

通常、敵ユニットを倒すためには一定の反撃を受けます。もし 1 ターンで敵を倒すのが難しそうであれば、自軍ユニットを反撃で失うことも覚悟しなければなりません。敵ターンの攻撃を耐えるためには、敵に与えるダメージを最大にするよりもむしろ敵から受ける反撃ダメージを最小限にするように攻撃武器(近接か遠隔か)を選択した方が良いでしょう。

敵ユニットが遠隔武器を持たない場合は、自軍は遠隔武器で攻撃しましょう。そうすることで、敵を倒すまでに受けるダメージを減らすことができます。

3.1.8. 時刻

秩序ユニット(人間など)は昼間に、混沌ユニット(アンデッド、オークなど)は夜間に強化されます。そして、薄明ユニットは夕暮れと夜明けに真価を発揮します。自軍が強化され、敵が弱体化する時間帯に戦いを挑むのが理想です。敵が強化される時間帯には、防衛線を強固にして防御に好都合な地点を確保し続けると良いでしょう。敵が弱体化する時間帯には、進軍して敵を攻撃しましょう。

例として、エルフがオークと戦うことを想定してみましょう。夜間にはオークが猛攻を仕掛けてきますので、エルフは森で耐えなければなりません。そして、夜明けが来ればエルフが反撃を開始することでしょう。また、相手プレイヤーが AI であっても、不利な時間帯には撤退を開始することが多いです。

3.1.9. 経験値

キャンペーン全体を通して、練度の高い軍隊を構築することは重要です。特に後半のシナリオは、高レベルのユニットが召還できることを前提として作られています。

ユニットが経験値(XP)を得るには、敵ユニットにとどめを刺すのが一番です。敵ユニットにとどめを刺すことで、倒した敵ユニットのレベル x 8 の XP を取得できます。ユニットを育てたい場合は、高レベルユニットで敵を弱らせてから、育てたいユニットでとどめを刺すと良いでしょう。特にヒーラー(回復ユニット)は基本的に戦闘能力が低いため、この方法で XP を盗むことがレベルを上げる手段になります。

キャンペーンの初期にレベル 2 ユニットが欲しければ、なるべく同じユニットで複数の敵にとどめを刺すようにしましょう。そうすることで、特定のユニットに XP を集中させ、レベルを素早く上げることができます。そして、レベルアップしたユニットを利用して、他のユニットの経験値稼ぎをサポートしましょう。

また、リーダーにも経験を積ませましょう! リーダーの安全を確保することは重要ですが、リーダーのレベルが低すぎるとシナリオのクリアが難しくなることもあります。

3.2. ゲームを思う存分楽しもう

ゲームで一番大切なことは、楽しむことです! 開発チームからの、ゲームを楽しむためのアドバイスを紹介しましょう。

  • キャンペーンを「中級者」難易度レベルでプレイしてみましょう。特に他の戦略ゲームをプレイしたことがある方にお勧めします。難易度を変えることによって、より大きなやりがいを感じることができるでしょう。
  • ユニットを失ってしまったとしても、それほど悲しむ必要はありません。キャンペーンはプレイヤーがいくつかのユニットを失うことを前提に設計されています。
  • ゲームの保存機能を使いすぎないでください。かつてのWesnoth ではシナリオ終了時にのみゲームが保存されていました。その後、中断したゲームを別の日にプレイしたり、突然のクラッシュ時にゲームを再開したりするために、シナリオ途中でのセーブ機能が追加されたのです。例えば、大切な白魔術師が死んでしまったからといってセーブデータを繰り返し読み込むことは、開発チームはお勧めしません。それよりも、白魔術師を敵の攻撃から保護するか、または危険に置いた結果を受け入れる判断をするべきでしょう。犠牲を出すか、それを防ぐのかを選択することも、戦略の一部なのです。
  • もし、どうしても受け入れられない状況になってしまったら、シナリオ開始時からやり直すことをお勧めします。ただ乱数が幸運をもたらすまで繰り返すよりは、新しい戦略を練り直す方が良いでしょう。
  • しかし、最も大切なことは楽しむことです! 開発者の考えが受け入れられないなら、それに従う必要はありません。失敗するごとにセーブゲームを読み込むことに何の苦痛も感じないならば、パーフェクトなゲーム(ユニットを全く失わない)を実現することも可能でしょう!

3.2.1. シナリオ開始時

  • 最初に、シナリオの目標を読みましょう。敵リーダーを倒すことだけが目標とは限りません。指定されたターンまで耐える、何かを回収する、といった目標もあります。
  • マップを観察しましょう。地形や自軍と敵軍の位置を把握しましょう。
  • それから、ユニットの雇用を開始しましょう。敵軍の第一波に対抗するには、安価なユニットを雇うのが良いでしょう。また、高レベルユニットで支援すると良いでしょう。素早いユニットは斥候として運用しましょう。マップを探索し、村を獲得するのです。

3.2.2. シナリオの途中

  • ゴールドの収入を確保するため、なるべく多くの村を占領しましょう。
  • ユニットを集団で運用することで、敵は 1 体のユニットを集中攻撃できなくなります。そして、数の優位を得ることができます。自軍ユニットを 1 列の防衛線として並べることで、それぞれのユニットに対する敵の攻撃を最大ニ方向に限定できます。
  • ユニットの種類ごとに、それぞれの地形や敵に対して得意・不得意があります。ユニットを右クリックしてから「ユニットの解説」を選択することで、それらの情報を確認することができます。
  • 低レベルユニットは捨て駒として使うこともできます。敵の進軍を妨害したり、重要なユニットを守る盾とすることもできます。
  • 高レベルユニットでダメージを与えてから、低レベルユニットでとどめを刺してみましょう。そうすることで、低レベルユニットにより大きな経験値を与えて、レベルアップの補助をすることができます。
  • 白魔術師(魔術師からレベルアップできます)またはドルイド僧(呪術師からレベルアップできます)を保有している時は、彼らを味方ユニットによる円陣の中央に配置してみましょう。それによって、マップのどの場所にいたとしても回復効果を得ることができます。エルフの呪術師も同様に運用できますが、回復量は劣ります。
  • ユニットを失うことは覚悟しておくべきです、たとえ高レベルユニットでさえも。
  • 時刻を確認することは重要です。

    • 秩序ユニットの与えるダメージは、日中には増加し、夜間には減少します。
    • 混沌ユニットの与えるダメージは、夜間には増加し、日中には減少します。
    • ゲーム内での時刻は画面の右側で確認できます。それによって事前に計画を立てておきましょう。今のターンよりも次のターンで行動する方が有利かもしれません。
  • ユニットは各ダメージ型に対して耐性もしくは弱点があります。乗馬ユニットは刺突攻撃が弱点です。火炎や秘術による攻撃はアンデッドを滅ぼします。耐性・弱点を確認するには、ユニットを右クリックして「ユニットの解説」を開き、「耐性」項目を確認しましょう。ダメージ型の種類ごとに耐性が表示されます。

3.2.3. 回復

Battle for Wesnoth において勝利を収めるには、常にユニットを健全な状態に保つことが重要です。自軍ユニットがダメージを受ければ、村の上か回復ユニット(例えば「エルフの呪術師」や「白魔術師」)の隣に移動させて回復しましょう。トロルなどのように、一部の種族は自己再生能力を持つこともあります。

3.2.4. シナリオで勝利するには

  • 高レベルユニットによって素早く敵指揮官を倒すことができれば、味方ユニットの損失を最小限に抑えることができます。
  • シナリオで素早く勝利することで、より多くのゴールドを獲得できます。つまり、マップ上の全ての村を占領し残りのターンで得る金額の合計よりも、素早い勝利で得られるゴールドのほうが多いのです。
  • 大抵の場合、勝利条件は全ての敵リーダーを倒すことです。

3.2.5. より一般的なヒント

  • 虐殺シナリオ(大規模なシナリオや難しいシナリオ)の次には大抵「息抜き」シナリオが配置されており、そこでゴールドや経験値(そして高レベルユニット)を獲得することができます。
  • 高レベルユニットには低レベルユニットより高額な維持費(レベルあたり 1 ゴールド)が必要となります。忠義特性のあるユニットはこの例外です。